2011.05.09 (Mon)

オレンジのブーメラン

1997年7月 プラハに来て4か月。
少年は大志を抱いたのか、隣の芝は青かったのか解らぬが、
プラハを出て外国に出掛けた。行き先はドイツの首都、ベルリンである。

プラハに比べれば大都会で完全なるおのぼりさんとなるわけだが、当時1997年、
ベルリンは建設ラッシュで、特に旧東ベルリンは街全体が工事現場という有様だった。

今思えば、プラハでの生活が一段落つき、
「ヤンネポさんがぁぁぁ、ちょっと外国・見・て・み・た・い!!」
となったのであろう。
大きく3つ行かずに小さく3つ行ったので、行き先はベルリンだったのかな~。
酒飲みでない人には表現が解りずらかったか・・・

仕事が終わって駅に行き、夕方のプラハ発ベルリン行きの電車があることを確認し、
出掛けることにした。当然ベルリン着は深夜になると知ってのことである。
「宿は何とかなるだろう。」
と宿泊先も決めず、ベルリン行きの電車に乗り込んだ。
当時はまだベルリン中央駅がなかったので、旧東ベルリンの駅、
アレクサンダー駅で下車。
深夜のため駅構内のインフォメーションは当然閉まっており、
地図も持たぬ私は途方に暮れながら、駅にある街の地図とにらめっこしていた。

そこへ紳士が現れて私に尋ねた。
「どうしました?」
私は普通に答える。
「まさにいまプラハから着いて、宿探ししてます。」

紳士:「こんな時間だからもう無理なのでは。」
私:「はぁー。」
紳士:「良かったらうちに来れば、寝る場所はあるから。」

渡りに船とばかりに紳士の誘いに乗る若かりし日の私。
紳士に連れられバスで彼の自宅へと移動する。
連れられているのだからどう行ったのかも覚えてないし、徒歩ではなかったので、
ヘンデルのように小石やパンを目印に置くこともできなかったから、
街のどの辺かは皆目見当がつかない。
ただ「ベルリンのどの辺ですか?」という問いに、
「北のほうだよ。」と返ってきたので、中心からは北だったのだろう。

紳士の家に到着し、部屋に入ると部屋には、オーディオあり、
PCありと当時としては最先端の部屋だった。
2DKだったかな~?。
少しの自己紹介を兼ねた雑談が終わると、紳士が言った。
「何か飲むかい?」

私:「コーラか何かください。」
紳士:「OK。」

紳士はキッチンへ行き、コーラ入りのグラスを持って戻ってきた。
紳士:「はいどーぞ。」
私:「ダンケ・シェーン。」

一口飲むと明らかにコーラではないことが解った。
確かに味はにコーラなのだが、何かアルコールなる物が入っていたのだ。
内心、「これは何かあるな。」
と勘ぐるも、のどが渇いていた私はおかわりをお願いした。
「お前2杯も大丈夫か?」という目で私を見る紳士だが、
キッチンへ行き再び謎のコーラを持って戻ってきた。
2杯目も飲み干す私。
それを見届けた紳士は、「シャワーはあそこだからどうぞ。」

仕事が終わってすぐ移動したのでシャワーも浴びてなかったから、
お言葉に甘えてシャワーを借りた。
シャワーを浴びながら、
「親切な人もいるもんだな~。でも何でコーラにアルコールが入ってたのかなぁ?」
と関心と疑問が交錯するも、
「まぁいいか、あまり強そうじゃなかったから何かあれば、何とかなるだろう。」
と考えを固め、シャワーを出た。

紳士は、
「隣の部屋が寝室だから使って。今度私がシャワー浴びてくるから。」
と言ってバスルームに消えた。
5分10分たったのだろうか、私が眠りに落ちようとしたその時、
紳士のシャワーが終わり、いきなり寝室のドアが開いた。
そこに立つ紳士の姿は私の知る紳士の体とはかけ離れ、私を驚愕させた。
なんと・・・


オレンジのブーメランパンツ一張の姿だったのである。

紳士:「じゃあ一緒に寝ようか。」

私:「ノーノーノー、そんな趣味ないし、本当にいやだ!!
隣の部屋にソファーがあったからソファーで寝る。」

紳士:「ソファーには誰も寝かせない。お客さんは皆このベッドで寝るんだよ。」

私:「絶対ありえない!!もうここにはいたくないから帰る!!」

紳士:「帰るって言っても真夜中だけど。」

私:「真夜中だろうが関係ない。さよなら。」

という言い合いの末、紳士の部屋から逃げ出し、
真夜中のベルリンを彷徨うこととなった。

街のどの辺にいるのかもわからず、「北のほうだよ。」と言う言葉だけを頼りに、
途中、市バスの停留所の名前と停留所にある地図とを見定めるも、
紳士宅で飲んだアルコール入りコーラ2杯が徐々に効き始め、
ふらふらになりながら中心に向けて歩く私。
小雨も降り始め最悪の状態となったが、何とかアレクサンダー駅にたどり着いた。
時は丑三つから丑四つにさしかかろうかとしていた。

駅構内にも入れず、バーも開いておらず、周りには休めそうなベンチもなく、
疲れ切った体にムチを打って歩く。
半ベソ状態で駅前の広場に出、広場から走る一本の大通りを歩き、
ベンチを発見したのでそこで仮眠。
夜も明け、ベルリン市民の姿も見え始め、駅に戻り、パンとコーヒーの朝食を取って、
朝一のプラハ行きで逃げるようにベルリンを去った。
大都市に負けた田舎者よろしくである。

仮眠を取った大通りがかの有名な「ウンター・デン・リンデン通り」
と知ったのはプラハに戻ってからと言うのは言うまでもない。

この珍道中では、「自分がアルコールに強くて助かった。」と再確認するも、
・只より怖いものはない。
・出掛ける時は準備を忘れずに!
と言うことを改めて思い知らされる旅となった。

今となっては「若気の至り」となるのだが、記憶を呼び起こすと、
出発前に知り合いのわき毛を馬鹿にしたから、
「わき毛の祟り」だったのかな~


菜の花畑

文章とは関係ないけど、菜の花の季節、黄色のじゅうたんです。




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20:55  |  こわい、きたない話  |  トラックバック(0)  |  コメント(1)  |  編集  |  Top↑

*Comment

■丸見えでなくて良かったね。

そんなネタ知りませんでした。
今まで温存してたのかーーーー(笑)

腹の底から笑わせて頂きました。
shanmama |  2011.05.11(水) 07:22 |  URL |  【コメント編集】

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