2012.08.16 (Thu)

スラブ叙事詩 13

フス派の王 ポデェブラディのイジー

IMG_3555.jpg
1923年 テンペラ絵具と油絵具 405cm x610cm

フス派は急進派とウトラキスト派の分裂によって勢力が失墜してしまいました。
さらにジクムンドは1436年になんとかボヘミア王として認められましたが、すぐ亡くなり、
義理の息子アルブレヒト・ハプスブルグが統治したのですがが1年で死去、
王権はジクムンドの息子ラディスラフに移りました。
ジクムンドが亡くなった後に誕生した息子ということで、
ラディスラフ・ポフロベクと呼ばれました。
意味は、「死後産まれたラディスラフ」です。

ラディスラフがまだ子供のため、摂政としてイジー・ポデェブラディが王国の陣頭指揮をとり、
カトリックとウトラキストの抗争を止めることに成功しました。

ウトラキスト派が主張していたパンとワインからの聖体拝領、
つまり「二種聖体拝領をカトリック教会が認める」というバーゼル公会議の合意に基づいた「プラハ協約」で、
ウトラキスト派をカトリック側に近づけさせて、ウトラキスト派と急進ターボル派との溝を深めさせたのです。

ウトラキスト派には市民が多く参加していたので、
農民や低位聖職者の多い急進ターボル派の思想、
聖書にのっとり、清貧で、財産の共有、
などが余りにも堅すぎ、同調できなかったのでしょう。

ウトラキスト派としては二種聖体拝領さえ認めてくれれば良かったのです。

そこでターボル派とウトラキスト派は完全分裂してしまいました。
ウトラキスト派はカトリック教会と共にターボル派を制圧し、
1452年、ターボル派の本拠地ターボルを占拠してしてフス戦争が終結しました。
現存するターボルの町はプラハから南約90kmの所に位置しています。

そして1458年、ラディスラフが17才の若さで亡くなると、
イジーがウトラキスト派の票とカトリック教会の票を合わせて獲得してボヘミア王に選出されました。
選挙で選ばれた初の国王となりました。

裏ではイジーが国王になるべく、ラディスラフを毒殺したのでは…
という説がまことしやかに語られており、
その説はラディスラフの死因が発覚する1985年まで信じられていました。
死因は白血病だったのですが、500年近くも毒殺の冤罪を被っていたなんて悲しいですね。

結果、ボヘミアはヨーロッパで唯一信仰の自由が認められる国となりました。

しかし、そう上手くはいきません。
教皇ピウス2世は、いざこざが終結し、国が落ち着くと、
信仰の自由があるのはおかしいとイチャモンをつけてきます。
そして二種聖体拝領を非難するため、1462年8月13日、
教皇特使ファンティヌス・デ・ヴァッレをローマから派遣しました。
彼が放った言葉は「二種聖体拝領を認めない」。

長い背景ではあったが、そのメッセージを読み上げている場面が描かれています。
写真 12-10-28 16 41 19

プラハ旧市街の王宮で教皇からの書を読み上げるファンティヌス。
玉座のイジーは耳を疑い椅子を蹴散し怒り狂っています。

今はプラハ旧市街には王宮はありません。
そこには市民会館が建っています。

ファンティヌスの横にはヴィシェフラドのヤン・ラブシュテインが通訳として立っています。
イジーはラテン語を理解していなかったようです。

右下の少年がローマと書かれた本を閉ざしています。
これでローマ教皇とのすべての交渉が終わってしまったことが分かります。
写真 12-10-28 16 41 27

1466年教皇パウルス2世はイジーを破門し、
ハンガリー王のマチャーシュをボヘミア王にすべくモラビアに出兵させ占拠し、
ボヘミアはそれを認めず、イジーはポーランドのヴラディスラフ・ヤゲヴォと同盟を結びます。
それから超簡略すると、イジーが死んで、マチャーシュが死んで、
ヴラディスラフがボヘミア、ハンガリー王になって、ハプスブルグと政略結婚をして、
1526年にはハンガリーにトルコ軍が侵攻してきて、
ハンガリー王になっていたヴラディスラフの息子ルドヴィーク(ラヨシュ)は戦死してしまい、
ハプスブルグがボヘミアとハンガリーの王冠を手にすることになりました。


つづく
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