2013.05.27 (Mon)

プラハを探す 民族意識の塊

あらかじめお知らせしておこう。
通常ツアーは無く、事前に予約をすれば見学ができるということを。


もしくは、当然ではあるが、催し物を観劇する場合は建物の中に入ることができる。


ここはチェコ人の民族意識の塊でもある建物だ。
その名も国民劇場。


ちょっと遠回りして簡単な歴史から始めよう。
1526年からチェコはハプスブルグの支配下となった。
ハプスブルグがチェコ王の戴冠をしたのである。

チェコ貴族はハプスブルグにある条件を出した。
チェコ王ならプラハに住め。
信仰の自由を認めよ。

ハプスブルグは始めはプラハに居たがすぐウィーンへ。
信仰もカトリックを強要していく。

15世紀より非カトリックであったチェコ貴族は反感を持ち立ち上がった。
1618年、プラハ城王宮のチェコ事務所へ押し掛け、
ハプスブルグべったりのカトリック貴族二名と書記官一名を、
部屋の窓から投げ落としてしまったのだ。

投げ落とされた3人は運良く助かったが、
この事件がきっかけとなり、
カトリックとプロテスタントの戦争が勃発した。

30年続いたので30年戦争と呼ばれている。
しかし、チェコではたった2年後の1620年にカトリックが圧勝。
翌1621年6月21日に旧市街広場にてチェコプロテスタントの有力者27名が公開処刑。
プロテスタントの有識者は国外追放。

信仰の自由は無くなりカトリック化。
チェコのアイデンティティは失われ暗黒の時代が始まる。
18世紀は絶対王制。
カレル6世、マリア テレジア、ヨゼフ2世、レオポルド2世と続き、
立ち上がるチャンスはなかった。

フランスで革命が成功すると、
その思想はハプスブルグ支配下にあった人びとを覚醒させた。
「自分たちの民族とは何か?」
「自分たちの歴史を見つめ直そう。」

1848年プラハでもハプスブルグに対する革命が起こる。
しかし、失敗。

失敗はさらに民族意識が高まることになる。
「俺たちはチェコ人だ。」
「俺たちの言葉はチェコ語だ。」
「チェコの偉大な歴史を知り、皆に知らせるんだ。」
「誇りを取り戻せ!」

チェコの伝説が美化されて語られ、チェコの偉人を讃えた。

そして、「チェコ語で上演できる劇場を建てよう。」と相成った。

劇場か…。
「いつ建てる?今でしょ!」
と最後のセリフを言ったかどうかは知らないが、
劇場建設が計画され、実行された。

まず仮劇場が建てられた。
そのオーケストラの指揮者はスメタナ。
指揮者になるまでいろいろ苦悩があったようだ。
そのオーケストラのビオラ奏者にはドボルザークがいたのだ。

しかし、まだ仮劇場である。

「もっと大きな、チェコ代表する偉大な劇場にしたい。」
という希望があったが、希望だけあって資金がない。
そこで、劇場の完成モデル型募金箱を作りチェコ中に送る。
すると集まるわ、集まるわ。

建築費の募金だけでなく、建築材も集まった。

礎石である。

最初はチェコ人の魂の山ジープ山の石が。
写真の石では2番の数字が降られている石だ。

最終的に23か所から礎石が送られてきた。
当時すでにアメリカに移住していたチェコ人からも石が送られてきたのである。

チェコ人の全国民が望んでいる劇場だったというわけだ。

人夫もボランティアで現場に駆けつける。

1881年、まだ完成前ではあったがルドルフ皇太子のための祝典が行なわれた。
しかし、チェコ人のための劇場のはずだったのに、
最初のイベントがドイツ語で行なわれたため、
民族意識が高まっているチェコ人たちから猛反発を受けてしまう。

1881年6月11日、ついに完成し、
スメタナが作曲したオペラ「リブシェ」でこけら落としが。

しかし、8月に劇場は焼けてしまった。

屋根で仕事をしていた作業員のひの不始末である。

不運は重なった。
当日、消防団はお葬式に出掛けており、現場に急行できず、
夏だったためヴルタヴァ川の水位が低く汲み上げポンプに支障をきたし、
さらに、消火用のハシゴを組み立てるのに手間取ってしまった。

国民劇場は焼失してしまった。
しかし、再び寄付が集められ、1883年11月18日に堂々再開館。

2度目のこけら落としも「リブシェ」。

観客は感極まりなかったんだろうな~。
火事の前は1700席あった座席は火事の後の再工事で、
屋根の方まで席を作り2500席まで増えた。
その2500人がスタンディングオーベーション。
想像しただけでもスゴイ。

今は快適に観劇できるよう985席ほどしかない。

ちょうど見学をしに来た日は、チェコの小学生も見学に来ていた。
劇場専属のガイドのおじいさんは熱くチェコの偉大さを子供に伝えている。

それを聞いている子供たちは多分ちんぷんかんぷんだろうけれど、
ちょっと大人になって子供の時を思い出す時、
チェコの偉大さも同時に思い出すのであろう。


国民劇場のバルコニーから見たプラハ城の雄大さを思い出し、
チェコの素晴らしさを噛みしめるのかもしれない。
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