2014.10.24 (Fri)

「唯一のこと」からのこと

前回「唯一のこと」なんてタイトルで訳の分からない文章を書いたけれど、
実は本日24日、ある場所に行く事にしていたので、
「布石になるかな?」と思ったからなのだ。
WWⅡ時、ある国の唯一の指導者の政策により、唯一の神を信仰する者たちが犠牲になった場所。
場所の名はOswiecim(オスヴィエチム)。
ドイツ語の名でアウシュヴィッツと言う。


私が初めてここに来たのは1997年12月の事。
あともう少しで26歳になるって時だった。
寒く雪の積もる中、他の見学者もほとんどおらず、ただ一人、各棟を見学した。
寒さと静けさがここで起こった出来事の悲惨さをより重く伝え、
見学後は身体に錘が乗ったかの如く、肩を落として歩いていた。


その次は友人と、その次は同僚と、その次はまた友人と、思い出してみると4回来ていた。
20代後半で感じた重さは、30代になって来た時には感じられず、
しかし、また違う方向からここで起こった出来事を見る事ができるようになった。
ちなみに30代になって来た時は、唯一の日本人ガイド中谷さんに案内をして頂いたのである。


さて今回が5回目の訪問と言う事になったのだが、
40代に入ってから、ふとこんな疑問を持った事が背景にある。
「40代になった今、あそこに行ったらどういった感じになるのだろう?」
1,2度来るチャンスはあったのだがその時は訪問せず、
今月は20日過ぎまでは忙しかったけれど、本日24日からは仕事量も落ち着き、
って、本当は落ち着いてもらっては困るんだけど…
時間的余裕ができたので、出掛けてみる事にしたのだ。
しかも日帰りで…片道約450kmの道のりだ。


最後に行ったのは確か9年前で、暑い夏の盛りだった事は覚えている。
その時と同様に、まずオスヴィエチム博物館に行った。
過去4回は並ぶ事もなくスムーズに入場できたけれど、今回は長蛇の列ができていた。
混んでいたからなのだろうか?
入場は有料になっており、個人では見学できず、ガイドツアーに参加せねばならなくなっていた。
英語、ドイツ語、フランス語など各言語でのツアーが時間が決められ、人数の制限もある。
ってことを30分ほど並んだ後のキャッシュデスクで知った。
アップデートされた基本情報の下調べをしていかなかったのだ。
キャッシュデスクで私の見学可能時間を尋ねたら、英語ツアーで2時間待ち、
ドイツ語かフランス語のツアーでも1時間待ちだと答えが返って来る。
初めての見学であれば、見学時間まで何時間でも待って是が非でも見学する所だが、
展示内容は見た事があるし、2時間待ちと聞いて入場をあきらめた。
「悲惨な出来事があった場所を、わざわざ並んでまで見なくても良い。」と思いが生じ、
さらに他の並んでいる見学者、修学旅行で来ている学生達の雰囲気が、
テーマパークのアトラクションに並んでるようにも感じ取れてしまい、見学熱が冷めてしまったのである。


そこで、3kmほど離れた場所にあるヴィルケナウに移動した。
写真はそのヴィルケナウの物である。


引き込み線の上を歩いている時、9年前に聞いた中谷さんの言葉が脳裏をよぎった。
「具体的な数字はあげないが、ここで起こったと言うことは事実である。
しかし、ユダヤ人だけが犠牲者でなく、加害者であるドイツ人も犠牲者であるし、
近隣で生活をしていた住民も加害者になり得るのだ。
なぜこんなことが起こり得たのか。人の心の奥に何があるのか。
自分ならどうしたか。」
私ならどうしただろう?


でも、また別の事を考えていた。
ここはユダヤ人犠牲者の記念館となっているから、
どうしてもユダヤ人にスポットが当たってしまうけれど、
昔はイスラム教徒によってキリスト教徒が奴隷化されていたし、
アメリカではインディアンや黒人奴隷問題があった。
ある唯一の物に狂信的になってしまうと他の事は見えない。
他の事が見えた場合、黙ってそっとしておいてくれれば良いけれど、
同化を強要したり、さもなくば迫害される。
宗教観だけでなく、政治思想もそうだし、哲学だってそうだ。
身近な所で言ったら町内会だって同じことが起こりうるのである。
「結局のところ・・・なくならないな・・・。
ないに越したことはないけれど、なくならない。」
と言う事に思い当ってしまった。


「なくならない」とは無責任かもしれない。
無責任かもしれないが、世の中には多数の唯一があるのである。
一方の唯一を引っ込めたら、もう一方の唯一が飛び出してくる。
でもその飛び出した唯一を切り落とすことはできない。
切り落とそうとすると、またこんな線路が必要になってしまうのだから。


上手く均等に飛び出してくれたら良いのである。
そのようにコントロールできたら尚良いのだ。

40代になって来た5回目のオスヴィエチムは感傷的になる事もなく、
なんか現実的な自分がいました。
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20:46  |  外国旅行  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  編集  |  Top↑

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